では、実際の過払い金の仕組みについてご説明させていただきます。
 

 よく、「過払い金は、払い過ぎた利息全額のこと。」

 と思われている方がいらっしゃいます。

 間違いではないですが、正確に説明しますと、
 

 利率を利息制限法の上限利率に下げた上で、取引の初めから再計算し直し、利息制限法の上限利率による利息プラス借入をした元金全額を払った上でさらに払い続けたお金のこと。
 

 と言うことですが、文章で書いたら何の事やらさっぱりですよね……
 

 表で説明します。
 

 Aさんは、50万円を平成18年12月1日に利息29.2%で借り、毎月の返済金額が1万3,000円でした。

 その方の取引内容は、

取引日 借入額 返済額 利率 利息

元金返済額

残高
平成18年12月1日  500,000    29.2%     500,000 
平成19年1月1日   13,000   29.2% 12,400  600  499,400 
2月1日   13,000   29.2% 12,385  615  498,785 
3月1日   13,000   29.2% 11,172  1,828  496,957 
4月1日   13,000   29.2% 12,324  676  496,281 
(中略)            
平成24年12月1日   13,000   29.2%  8,265  4,735   340,589 

となり、平成24年12月1日現在の借金の残高は、34万589円です。

 6年間も払い続けているにもかかわらず、借金が全然減っておりません。

 実際、6年間の返済金額の合計が、93万6,000円と借金の2倍近く返済をしたにもかかわらず、借金の金額は、約16万円しか減っておりません。その分利息として、約78万円も支払をしていることになります。

 この様な契約は以前は普通にありました。
 

 しかし、業者は、利息制限法の上限利率までしか利息を取ることは出来ませんので、実際は18%(借金は50万円です。)ということになり、下の表の通りになります。

取引日 借入額 返済額 利率 利息 元金返済額 残高
平成18年12月1日  500,000   18%     500,000 
平成19年1月1日   13,000   18% 7,643  5,357  494,643 
2月1日   13,000   18% 7,561  5,439  489,204 
3月1日   13,000   18% 6,755  6,245  482,959 
4月1日   13,000   18% 7,383  5,617  477,342 
(中略)             
 平成24年12月1日   13,000   18%  0  -13,000   -185,023 

 まず、平成19年1月1日の返済に注目してください。
 

 29.2%だと、利息は1万2,400円ですが、18%だと7,643円で、4,757円も差が出ます。

 元金返済分については、29.2%だと、たったの600円ですが、18%だと、29.2%との差額分がそっくり元金の返済に回っており5,357円も元金を返済していることになります。
 

 おどろきですよね〜。

 たった一回の返済でもこれだけ残金が変わってくるのです。
 

 次の返済分も同じように計算し直していきます。残金のみ比較したものが下の表です。

取引日 29.2%の残金 18%の残金 差額
平成18年12月1日 500,000  500,000 
平成19年1月1日 499,400  494,643  4,757
2月1日 498,785  489,204  9,581
3月1日 496,957  482,959  13,998
4月1日 496,281  477,342  18,939
(中略)      
平成24年12月1日 -185,023  340,589  525,612

 差額を見ていただくと、返済を重ねるたびに大きくなってきますので、取引期間が長ければ長いほど、金額が変わってきます。
 

 29.2%と18%のからくりについてはご理解いただけましたでしょうか??
 

 それでは、本題の過払い金の仕組みについてご説明させていただきます。
 

 29.2%から18%へ利息を直すと、残金が取引期間によって大幅に変わってくるお話しをさせていただきましたが、18%に直すと残金がどんどん下がっていくため、返済を続けているといつか残金がゼロになる時が来ます。

 以下の表をご覧下さい。先ほどの取引の途中の計算書です。

取引日 借入額 返済額 利率 利息 元金返済分 残金
平成23年8月1日   13,000  18% 534  12,466  22,489 
9月1日   13,000  18% 343  12,657  9,832 
10月1日   13,000  18% 145  12,855  -3,023 
11月1日   13,000  18% -13,000  -16,023 

 平成23年10月1日の返済から残金が「−3,023円」とあり、マイナスになっております。

 このマイナスが、「過払い金」になります。
 

 したがって、11月1日以降の返済は、全て過払い金ということになります。
 

 ここまで、お読みいただいた方であれば、すでに過払い金の仕組みについてご理解いただけたと思いますが、まとめますと、
 

 「過払い金とは、利息制限法の上限利率(ここでは18%)の利息及び借りた元金の全額を支払ったにもかかわらず、払い続けた返済金。」
 

 ということになります。
 

 上の事例ですと、平成24年12月1日現在では、18万5,023円もの過払い金が発生していることになります。

 29.2%では、残金が約34万円ですので、約53万円もの差額が生じております。
 

 消費者金融など顧客にはこの事実を伝えておらず、29.2%のまま返済を続けさせている業者も存在します。

 ここまで、お読みいただいた方は、仕組みについてご理解いただけたかもしれませんが、まだご存じない方は、過払い金が発生している可能性があるのに、業者の言いなりに返済を続けている可能性があります。
 

 一般的には、6年以上18%を超える高利息で返済を続けていた場合に、過払い金が発生する状態にある可能性があります(取引内容によって発生しない場合もございますのでご注意下さい。)。
 

 したがって、その様な状態でしたら一刻も早く、司法書士などの専門家へご相談されることをお勧めします。

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